うーむ、そうきたか、という感じなんだけど、へうげものですか。ということで今回は「へうげもの」へのツッコミ。しかしツッコミも足りないしボケもない。

へうげもの 1服 (1) (モーニングKC)/山田 芳裕


¥540
Amazon.co.jp

「モーニング」という週刊コミックに連載中。「へうげる」は辞書には「ふざける」「おどける」等と書かれているから「へうげもの」は「ヘンな奴」ということ。誰がヘンなのというと、もちろん古田織部のことだと思うけど、このマンガ、ヘンな奴大杉。


最近の一押し漫画、第二弾。


むぅ、一押しがいくつもあるというのは、ちょっちゅね。でも確かにへうげものは結構面白い。どこが面白いかというと、やはりキャラが立っているというか、滅茶苦茶なのがいい。お得意の極限までデフォルメされたコミカルな絵柄と、訳の分からない擬音。

今書いた「ちょっちゅね」というのは加藤清正の口癖なのだが、見た目がボクサーの具志堅みたいな感じで、最近の登場人物だと歌舞伎っぽい伊達政宗がすげェェェんだァ。

どうでもいいか。


微妙に史実に基づきながら


どこまで本当なのか全然分からん。実は私、このマンガ、単行本は全く読んでない。でも連載で殆ど読んでいるはず。連載では信長が秀吉をハゲと呼んでしまうシーンがあったのだが、あれ直ってるのかなぁ、それとも私の勘違いなのか?

時代的には戦国時代、連載では既に信長は殺されていて、そろそろ秀吉が朝鮮に侵略しに行くというあたり。秀吉の描写としては、山田風太郎の妖説太閤記が「秀吉はロリ」という視点で一貫していて面白い。

妖説太閤記〈上〉 (講談社文庫)/山田 風太郎

¥770
Amazon.co.jp


へうげものの秀吉はどうか。狡猾、悪くいえば悪役、しかしリアリスト。ここに千利休が出てくる。千利休も理想への追求はともかく、やはり手段は問わない系で顔も怖い。主人公の古田織部は鑑定家としては一流、しかしビジョンに俗なものが入っていて、いまいち凄い成果が出てこない。つまり、そこそこ成功するがトップにはなれないタイプ。ほにゃら~んとした性格が世界制覇を邪魔しているのだ。

はて、この作者、一体この作品で何を言いたいのだろうか、というのはちょっちゅね。面白かったらいいだろ、みたいな所でオチが付いているのかもしれないが。

ちなみに、デカスロンもヤンサンの連載で読んでいた。

デカスロン 1 (1) (小学館文庫 やB 11)/山田 芳裕

¥670
Amazon.co.jp

スーパーマンみたいなのが出てきてほぎゃぁぁと叫びながら十種競技で大活躍するという話。何やらせても凄いのだが、高飛びだけ苦手という設定がいい。北京ではやらなかったようだが、オリンピックの種目からは消えてしまったのかな、デカスロンは。

で、こういうの見ていて思うのだが、やはり元社長氏のエネルギッシュな雰囲気から来ているのだろうか、
頂上目指せという感じのコミックを推してくるのが面白い。例えば、へうげものを現在連載している「モーニング」で私の一押しは何かというと、やはりこれしかないのが、「僕の小規模な生活」だ。

僕の小規模な生活 1 (1) (モーニングKC)/福満 しげゆき

¥780
Amazon.co.jp

勘なんだけど、多分元社長氏は、こういうのは全然見向きもしないと思う。モーニングのサイトにあるこのマンガの紹介ページにストーリーが出ているけど、主人公の「僕」というのが、


だけど仕事の方はエロ漫画の依頼が極々たまーに入ってくるだけ。働かなきゃと思いつつ、バイト募集の広告を見つけては、応募しない理由を探す“僕”。


ライブドアという革命的な会社を立ち上げた社長なんて生き方に比べたら、まさに対極にいるというか、規模が違いすぎる。

同じような悲惨系のマンガにしても、元社長のイメージから想像すれば、どちらかというと、まだ例えばディアスポリスみたいなのが好みじゃないかと勝手に思っているのだが、どうだろうか。

ITっぽい話も書くと、こうやっていくつかコミックを紹介した。Web で機械的に手当たり次第に紹介するのはspamと同じで何の意味もないが、ブログにこうやって私は面白いと思うと作品紹介すると、やはりその人の個性とか感性が見えてくるような気がする。そのような情報が集まれば、次にこの新作、この人に受けるだろうか、というのが判定できると思う。

Amazon の場合「これを買った人はこれも買っています」という、過去のデータを元にした分析をマーケティングに応用していて、既に実装されているのだが、これをさらに突き進めると、こういう傾向の人が多いから、こういう作品を作れば売れるのではないか、という予想を立てて、それから作品を作る、というところまで行けるという訳だ。